ペイパー・ドール

「明治・大正スクラッチノイズ」を毎日少しずつ読んでいる。
まだ明治時代から抜け出していないが、一年刻みだから仕方ないか。
この本は全く、雑学の宝庫。音楽のこと以外にも色んな知識を授けてくれる。
これは巷では常識なのかもしれないが、「ラムネ」という言葉は「レモネード」が語源だ、とか。
三木のり平は老中田沼意次の末裔だ、とか。
彼の本当の興味はジャズの歴史にあるようだが、明治時代にそこまで話題があるわけではないので、自然と話題はそれ以外の文化風俗のことになる。
そろそろジャズの生みの親であるコルネット奏者(名前失念)がニュー・オルリーンズで演奏をした年に入ってきた。こちらとしても俄然盛り上がってくる。
しかしこの人の文章はスウィングしていて読んでいてとても心地よい。落語家の噺を聞くようにすいすいと、時にクスクスと読み進めていける。実際に落語口調で書かれているのだが、膨大な知識、しかも文化風俗の知識をとても軽快に伝えてくれるその手腕たるや、永六輔も舌を巻いただけはある。豊富過ぎるボキャブラリーも全く嫌味がなく、むしろ知らなかった語句が使われているほど嬉しくなってしまう。ミルス・ブラザーズのエピソードがもう既に出てきたが、これから先の話が本当に楽しみである。
ミルス・ブラザーズはベストを2枚持っているが、どちらもだいぶ聞き倒した。「タイガー・ラグ」は収録されていないが、「レイジー・リヴァー」や「ティル・ゼン」、そして晩期の「キャブ・ドライバー」など名曲揃いのこの盤を今日は。

All Time Greatest Hits

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