パン・イン・エー・マイナー

8月号のバウンスの「ディクショナリー」のコーナーはカリプソ特集で、テキストはカセットコンロスのワダマコトさんが執筆されている。僕はこの人の書く文章が好きで、彼がブログや雑誌で紹介している作品には一も二もなく飛びついてしまう傾向があり、つい先日もブログで取り上げていたアンディ・ナレルとロード・リレイターの共演盤『ユニヴァーシティ・オブ・カリプソ』をHMVの通販で注文してしまった(松永良平さんのお勧めのハシエンダ『ラウド・イズ・ザ・ナイト』とユアソンのモーリスさんが「マナマナ」のリンクを貼っていたケイクのBサイド&レア曲集を一緒に頼んだ)。
毎回そのジャンルのレコメンド・ディスクが十枚くらい紹介されるのだが、その中にロード・キチナーの70年代のベストがあった。ソカの先駆けと言える、アッパーでソウルフルでビートが利いたカリプソで、スティール・パンがふんだんに用いられている。「パン・イン・エー・マイナー」という曲を『カリプソ天国』という映画で初めて聴いたとき、あまりのイメージとの違いにびっくりしてしまった。最初の違和感はすぐに消え、音楽への愛情と生命力に溢れたダンス・ミュージックの虜になってしまった。このベストのシリーズは何枚か出ているのだが、ワダさんがこの第三集をチョイスしていたのが嬉しくて、朝起きぬけに聴いた。なんだか分からないが、朝から少しグッと来てしまった。多分映画の内容を知っているからだろう。

Klassic Kitchener 3

Klassic Kitchener 3