クール・キャット

最近明け方頃に猫が活発に活動をするので、たびたび目を覚ましてしまう。ベランダに出たい時のカリカリと窓ガラスを引っ掻く音や、開けるのを催促する泣き声、それと家中を駆けずり回る足音に起こされ、妻も僕も軽く睡眠不足になっているかもしれない。その代わりに日中はほとんど動かない。風の通る場所に陣取り、あごを突き出して延々ねそべっている。たまに近づくと気づいて体を寄せてきたり手を舐めたりするものの、その様子は完全に儀礼的なもので、すぐさま方向を変えてぐったりとし始める。せっかく二人きりの休日なのに、あなたはいつもつれないの。ちょっとは今のうちに遊んで疲れさせておかないと、この分では今日も起こされること必至だ。
僕も猫と同じく、ほとんど動くことなく休日を過ごした。マイスティースのDVDと松本人志の「ビジュアルバム」を久しぶりに観て、ユーチューブで懐かしいPVを楽しんで(今日はペイヴメントやガイデッド・バイ・ヴォイセズ等のアメリカン・ローファイ・ロック・バンド特集にした)、エルヴィス・プレスリーの『レディメイド・ディグズ・エルヴィス』とジョージー・フェイムの91年作『クール・キャット・ブルース』を聴いた。ジョージーのアルバムは今野英明さんが昔自身のホーム・ページで愛聴盤として紹介していて、てっきりもっと昔の作品かと思ったら割と最近のものだったわけだが、渋いようでとても軽やかな、やはり粋も甘いも噛み分けた大人の味だと感じた。買った当初(五年くらい前か)割と苦手だった「イエ・イエ」のレゲエ・バージョンが凄く心地よく聴けるようになったのは、僕も少し成長したからなのか。

Cool Cat Blues

Cool Cat Blues