笑えれば

ウルフルズが活動休止を発表した。
一度だけ観た、富士急ハイランドのコニファー・フォレストでのライブは、本当にエンターテインメントの真髄を極めた、素晴らしいショーだった。実際はその日、警備のバイトでその場所にいたのだが、背中ごしでも充分に圧倒的なステージだと分かった。
トータス松本さんがソロで活動し始めた時、ひょっとしてバンドは休むのだろうかと思ったが、予想が当たってしまい狼狽してしまった。
メンバーが一度脱退し、また戻って来れるバンド。
バカになれ。突き破れ。思いっきり情けなくて思いっきりカッコイイ。そんな言葉が浮かんでくる。
「笑えれば」という素晴らしい曲がある。何度心を奮い立たせてくれただろう。
「ええねん」「それが答えだ!」「バンザイ(好きでよかった)」「大丈夫」。景気の悪い歌なんていらない。彼らは悲痛な程前を向き続ける。そんな歌だから信用できるのだ。
「暴れ出す」という割と最近の曲が大好きだ。心が暴れ出す。トータス松本、というよりウルフルズにしか歌えない歌詞とメロディーだと思う。
アルバムが出るたびにフォローしていたわけではない。でも心のどこかにウルフルズの場所はあった。こてこての関西ノリが苦手だが、彼らは特別だった。
トータスさんのソロ作品もきっと素晴らしいと思う。それをとても聴きたい。そしてまたいつか、ウルフルズが復活することを祈りたい。
とにかく笑えれば、最後に笑えれば、今日一日の終わりに、ハハハと笑えれば。

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