蘇州夜曲

四年目の結婚記念日。実際に籍を入れた年を含めないならば、三年目。こういう場合、どちらで数えればよいのだろう。
それはともかく、今日の予定は随分前から決まっていた。妻が予約をしてくれた、ロイヤル・ウィングという遊覧船のディナー・クルーズに参加するのである。
乗船時間は7時半。2時ごろに家を出て、少し横浜をふらふらする。
地下鉄の桜木町駅からみなとみらいへ向かい、コスモワールドに入る。久しぶりにコスモクロックという名の巨大な観覧車に乗るためだ。以前から観覧車は苦手だったが、今回もやっぱりダメだった。ゆっくりと上がっていくのが怖くて仕方が無い。ひょっとしたら前より苦手になっているかもしれない。頂点に達するまでずっと手すりにつかまっていた。妻は高いところが大好きなので、とてもはしゃいでいたけれど。
その後ワールドポーターズで休憩。ソーセージ・カレーというクレープを食べる。旨かった。
それからY150で賑わう赤レンガ倉庫周辺を横切り、山下公園まで散歩。そこで缶ビールを買ってしばし休憩。晴れた日の平日昼間に外で飲むビールは至福である。
妻が行きたがっていたバーニーズ・ニューヨークを少し覗き、そろそろ時間が近づいたため大桟橋へ。ウッド・デッキでしばらくぼおっと夕暮れ時の海とみなとみらいの町並みを眺めていると、動きたくなくなってくる。
そして時間となり、いよいよ乗船。三階のテーブル席に通される。窓から景色が眺められるように、二人並んで座るようになっていた。料理は中華のコース。とても美味しかった。結婚記念日のお客様がいらっしゃいます、と名前を呼ばれ、生のバイオリンで「蘇州夜曲」を演奏してもらった。それと特別にテープルでバルーン・プードルのカップルを作ってもらい、さらに手品まで見せてもらった。目の前で初めて見た手品に、思わず大きなリアクションをとってしまう。丁度七夕の日だったので、特別イベントとして短冊に願いを書いて風船につけて飛ばす、という催しがあり、夜のデッキに殆どの乗客がつめかけ、カウントダウンで夜空に飛ばした。風が強く、天の方には上がっていかなかったけれど、なかなか素敵な光景だった。
家に帰ると11時。「崖の上のポニョ」を観た。素敵な映画だった。登場人物(魚も含め)が全員素敵だった。時々思い出したい作品になると思う。