パーフェクト

ここニ三日の天候から一転、まさに茹だるように暑い一日。天候の事を書くのは、これが日記の役割をしているのと、いつも書き出しを思いつかないからだ。
今日は妻がマナー教室のため早朝から恵比寿へ出かけたので、さて長い休日をどうしようか、というのは実は昨日から決めてあって、一人で映画を観にいくことにした。
当初「エル・カンタンテ」を観ようかと思っていたのだが、妻が自分も観たいと言い出したので、それではというのでもないのだが、今話題の「レスラー」はどう、と尋ねると承諾してくれた。
11時ごろ家を出る。映画を一人で観るなんて、多分学生時代にニール・ヤングのドキュメンタリーを渋谷で観て以来のことだから、何となくそわそわし、駅で缶ビールを思わず買ってしまった。
有楽町駅で降りて、向かうは日比谷のTOHOシネマズ・シャンテ。ちょっとだけ道に迷ったが、方向音痴&地図が読めない男の割には早く到着出来たと思う。
客層は、当初男だらけかと思っていたが、割と老若男女が揃っていた。女性一人で来ていた人もいて、ひょっとしてミッキー・ロークのファンだったのかな、と勘ぐってしまったが、きっと違うだろう。
この映画は、人が運命というものにどうしようもなく結び付けられている、ということをとても誠実に伝えてくれる。そのことを受け止めることは辛いかもしれないが、それに気づいた時人は自由になれるのかもしれない。エンド・ロールとブルース・スプリングスティーンの歌が終わるまで、誰も席を立たなかった。ひょっとしたらスタンディング・オヴェイションが起こるかもしれない、という雰囲気さえ感じたが、すすり泣く声が聴こえたくらいで、そうはならなかった。
その後妻が渋谷で待ち合わせたいというので移動し、タワーレコードへ一目散。1Fの1000円盤コーナーの試聴機で、今更のフェアグラウンド・アトラクション『ザ・ファースト・オブ・ア・ミリオン・キスィーズ』に感動する。「パーフェクト」はもちろん、アン・サリーのヴァージョンで聴いていた「ハレルヤ」など、素晴らしい曲ばかり。自分でもこのアルバムにたどり着くのにどうしてこんなに遠回りしたのか全く解せない。さすがに買おうと思ったが、中古ならもっと安いだろう病が発症し、結局保留。ワールドのコーナーでインストア・ライブをものともせず(素敵な演奏だったけれど)試聴しまくっていたが、これと言うのが見つからず、というか1枚に決められず(持ち合わせがなかったので)、ランディ・ウェストンとピート・ジョリーとガトー・バルビエリアスターピアソラを買う、のはまた今度ということにして、後ろ髪引かれながら店を出た。
妻と合流し、少しだけ買い物に付き合い、それから代々木公園を通って原宿駅まで歩き、品川で下車。晩御飯は初めての「品達」で、と決めてあったのだ。「初代けいすけ」で黒極ラーメンというのを食す。スープも麺も初めての味で、量も充分で大満足。いつもどおり妻の分も3分の2(期間限定の汁無し冷やし坦々麺)をいただき、さらに餃子も食べて(これもオリジナルな味)、最後はちょっときつかった。
それからまた横浜で降り、妻が東急ハンズに行くというので、その間当然ディスクユニオンのお世話になる。狙い通りフェアグラウンド・アトラクションのアルバムは630円で日本盤、かつ10%引き入りまして567円也。こういう小確幸に支えられて生きている気がする。
上大岡に着くと駅前のマックへ。新製品だというマック・シェイクのヨーグルト味(某ヨーグ○ットの味にそっくり。大好きだからグイグイ飲んだ。100円だしイイネ!)を飲んで足を休ませて、いざ丘の上の我が家へ。
という長い一日、と文にすればそう感じるが、実際はそうでもないのだろうか。疲れきってはいるけれど。こういうネタがある日は本当に助かる。

First of a Million Kisses

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