彼女とダンス

夏になると聴きたくなるシリーズ その四 ザ・マイスティース 「彼女とダンス」

彼らの曲を初めて聴いたのは、セカンド・アルバム『ミーティング』の時にリード曲としてPVが流れていた「素晴らしい日々」だった(http://www.youtube.com/watch?v=RpMYOga8Wdw)。当然ユニコーンの名曲を思い出して、カバーかと思ったら、とても軽快で朗らかなオリジナルのスカ・チューンで、日本語詞だったこともありしっかりと心に残った。その後すぐにそのアルバムを買い、だいぶ聴き込んだのだが、どうしても英語詞の曲に歯がゆさを感じていた。歌心に溢れながらオーセンティックなスカを愛するという類まれなキャラクターなのだから、当時主流だった英語で歌うバンドとは一線画してほしいと思った。そして次にリリースされたのが、インスト曲以外は全て日本語詞が乗った、とてもメロウでポップな、完璧と言ってよいロック・ステディー・アルバム『ベイビィ』だった。ミドル・テンポの曲が多く、歌詞もメロディーも情感が溢れていて、音楽ファンなら誰にでも伝わるはずの作品だ。シングル「霧の中」がPVともども名作で(http://www.youtube.com/watch?v=6VwN4fVtixk)、聴くたびに確実に胸を締め付けられる。レコ発ライブも見に行ったのだが、バンド的にも向かうところ敵無しという自信を身に纏い、まさにミラクルな時間と空間を演出していた(DVDになっている)。オープニングが「レモンの花が咲いていた」からのカリプソ三連打で、盛り上がらない訳がない。屈指の名曲「ネモ」ではイントロで卒倒しそうになった。思い出していくときりがないほど、あの夏の日のライブのことは覚えている。
「彼女とダンス」は、彼らの楽曲の中で一・二を争うほどユーフォーリアに溢れた楽曲で、ゆるやかなレゲエのリズムとともに永遠に聴いていたくなる。去年の10月にバリへ行った時、ホテルのビーチでこの曲を聴いたのを思い出す。そんな事を考えながら帰り道を歩いていた。

Baby

Baby