太陽の渚へ突っ走れ

夏になると聴きたくなるシリーズ その四 ダイナソーJR 「太陽の渚へ突っ走れ」

溶け出したビーチ・ボーイズか。サーフィン中に大波に飲まれて海中で見た幻想か。はたまたゆらゆら帝国がカバーしたウィーザーか。
要するに、陰と陽が絡み合ったサマーソングである。爽やかだけど、べとべとしているというか。砂浜で波と戯れた後、気がつくとワカメが足元にくっついている感じというか。
とにかく、僕は大好きだ。
この曲はシングル・オンリーだが、再結成前の最終作『ハンド・イット・オーバー』の特別盤は、そのシングルがくっ付いた2枚組だった。結局聴くのはシングルばかりだったので、お得だったかどうかは分からないが。
このシングル、カップリング曲も彼らにしてはポップを追求した良い曲で、夏っぽいと言えなくはない。
これが出た二年後、フレーミング・リップスの決定的名盤『ザ・ソフト・ブレティン』が発表されるのだが、その1曲目「レース・フォー・ザ・プライズ」を初めて聴いたとき、すぐに思い浮かんだのがこの曲だった。歌謡度と憂いとドライブ感をさらに推し進めた名曲だと感動した。だが夏に聴きたくなるのは間違いなくこの「太陽の渚へ突っ走れ」(原題は「テイク・ア・ラン・アット・ザ・サン」)だ。

太陽の渚を突っ走れ

太陽の渚を突っ走れ