ライド・ユア・ポニー

夏になると聴きたくなるシリーズ その一 リー・ドーシー「ライド・ユア・ポニー」
僕はニューオーリンズのミュージシャンでこの人が一番好きだ。そしてこの人の魅力を簡単に述べるなら、①声と歌唱法②楽曲③ルックス、とこうなる。
あのなんとも味のある声と力みのない歌い方は、唯一無比であるように思うし、楽曲もアラン・トゥーサンにプロデュースされたものを中心に、本当に粒揃いである。それにあの物凄くハンサムなトカゲ(ワニ?)のようなリーゼント姿がたまらない。ヒューイ・スミスにファンクを注入し、少しだけいなたさを増したような、絶妙なキャラクターである。
そのリー・ドーシーの大代表曲「ライド・ユア・ポニー」を初めて聴いたのは、大学生の時で、その頃自分の中のはやりだったニューオーリンズものを聴き漁っていたときに、当然のように出会ったのだが、やはりあのブレイク・ビーツとファットなリズム、そしてあの、ひょうきんにも聴こえる個性的な歌がとても新鮮かつニューオーリンズ産らしいと、すぐに好きになってしまった。彼の作品は季節を問わずよく聴くのだが、この曲や「ゲット・アウト・オブ・マイ・ライフ、ウーマン」などは、何故か夏の暑い日の昼間に大音量で聴きたくなる。理由は分からないけれど、あの何処と無くけだるくやるせなくも感じられる風情が、サマー・フィーリングにグッとはまるのかもしれない。
ところで、彼の「イエス・ウィ・キャン」という曲は、オバマ大統領の応援ソングの候補に挙げられなかったのだろうか。応援ソングにしてはちょっと緩いかもしれないが。

Ride Your Pony

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