フォーリング・アンド・ラフィング

先程『ザ・フォール 落下の王国』のDVDを鑑賞し終えた。スパイク・ジョーンズが監督ということさえ知らなかったが、なかなか当たりではなかったか。絵の美しさはもちろんだが、話自体も思ったより面白かった。この映画の評判は聞いたことがほとんどないが、おそらくそれほど評価の高い作品ではないような気がする。しかし、ある若い男が大怪我のために入院し、そこで出会った五歳の女の子に架空の物語をでっち上げて話すうちに、徐々に自分の境遇に重ね合わせてしまい、話に引き込まれたその子供を巻き込んで、最後には物語とともに人生の分岐点を迎える、という展開の中に、誰もが共感せずにはおれない感動の種がある。ハリー・ポッター指輪物語とは全く異なる方法で、人生と成長について描いた作品だと思う。
スパイク・ジョーンズは傑作PVを数多く手がけているけれど、ビースティー・ボーイズの「サボタージュ」が特に印象深い。刑事ドラマのパロディーなのだが、曲の持つ強烈なインパクトにさらに拍車をかけている。ビースティーの曲を聴いたのはこれが最初だったのだが、おかげですっかり彼らの虜になってしまった。だから今日はこの曲が収録された『イル・コミュニケーション』を。

Ill Communication

Ill Communication

追記(6/18):『ザ・フォール』の監督はスパイク・ジョーンズではなく、『セル』などを撮ったターセルでした。スパイク・ジョーンズデヴィッド・フィンチャーとともにプロデューサーとして名前を連ねており、特に撮影に関わってはいない様子。申し訳ありません。