ティピカル・ガールズ

昨日の深夜の激しい胃の痛みから開放されて、目が覚めたとき正午を過ぎていた。起きて最初に聴いたのは、スリッツ。小西康陽さんの『マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。小西康陽。』を読んでいて、聴いたことのないアルバムの中でも特に興味を持ったのが、このグループの『カット』というアルバムだった。ニューウェイヴ系のバンドで、デニス・ボーヴェルのプロデュースというと、何となく音が想像できるような気がするけれど、小西さんがそういうバンドを絶賛しているのが、意外なようなそうでもないような、とにかく妙に心に残ったのである。それとジャケット。きっとこのアルバムやグループのイメージをクリアに物語っているのだろう、と思わせる素晴らしいアートワークだと思った。もちろんあのリリーアレンの母親が在籍していたという予備知識も頭に入っていたので、これはもう貯まったポイントで買ってしまおうと思ったわけだ。聴いてみると、そうであってほしいとイメージしていた音楽に割りと近かったし、ジャケットの世界観と重なる部分が大きいとも思った。僕としてはあまりにアヴァンギャルド過ぎるものだと辛いので、プリミティヴ感と洗練度が程よいバランスだったのが、ほっとしたし嬉しかった。ギターのシャリシャリとダビーな音響が心地よくて、80年代の音楽に疎い僕にとって大きな出会いだった。夜にもまた聴くとしよう。

Cut

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