救われる気持ち

昨日に引き続き、フィッシュマンズ熱に浮かされていた。i-podでは「空中」と「宇宙」の2枚のベスト盤の全曲をシャッフルで聴いて、電車での移動中は「フィッシュマンズ全集」を読みふけった。どうして突然彼らの音楽や言葉が再び沁みるようになったのだろうか。これははっきりその理由が分かる。僕は今、救いを求めている。ただどんな救済を必要としているのかが分からないのだ。だから僕は佐藤伸治さんの詞とメロディー、そしてフィッシュマンズの演奏に、とりあえずの間体をゆだねていたいのだ。ゆだねるというか、横になっていたい。そして静かに呼吸しながら、ふわっと空に浮かんでいる感覚を味わいたい。それが僕にとってのフィッシュマンズの音楽。「イン・ザ・フライト」の「あと10年経ったら何でも出来そうな気がするって でもやっぱりそんなの嘘さ やっぱり何も出来ないよ 僕はいつまでも何も出来ないだろう」という歌詞は、僕に希望を与えてくれる。矛盾して聴こえるかもしれないが、何にも出来ないことを前提にしなければ、前に進めないことを教えてくれた。何も出来なくたって、前に進めることを教えてくれた。きっと僕はフィッシュマンズを聴き続け、素晴らしい真理と残酷な真実とをそこから少しずつ見出だしていくのだろう。

空中 ベスト・オブ・フィッシュマンズ

空中 ベスト・オブ・フィッシュマンズ

宇宙 ベスト・オブ・フィッシュマンズ

宇宙 ベスト・オブ・フィッシュマンズ