ハニー・サックル・ローズ

三谷幸喜監督の現時点での最新作『ザ・マジック・アワー』を観た。この作品を観るのはこれで二回目。最初は去年、バリに行く飛行機の中で。ちょうど劇場で公開され始めたころだったと思う。その時は冒頭の15分くらいを見逃していたので、今日初めから観られたお陰で分かった部分もあった。
この映画は、「映画は人生だ」ではなく「人生は映画だ」というテーマを一貫して掲げ続けてきた(のだと思う)三谷監督が、それをストレートに作品にしてしまった、映画作りの素晴らしさと映画への愛だけが支配する、映画に捧げられた映画である。隅々まで完璧な、最高傑作だと思う。とにかく抱腹絶倒で、大笑いしているとふと涙がにじんだ。ウディー・アレンの『カイロと紫のバラ』に並ぶ、僕の中のメタ映画の最高峰だ。
ウディー・アレンといえば、『ギター弾きの恋』でジャンゴ・ラインハルトがキー・パーソンになっているが、春になると聴きたくなるのが『ジャンゴロジー』というアルバム。映画『ショコラ』で使われた「マイナー・スウィング」も収録されている。ジャンゴのギターよりも、ステファン・グラッペリのバイオリンが聴きたいのかもしれない。春の日差しを思わせるあの優しい音色が大好きだ。

ジャンゴロジー

ジャンゴロジー