青年は荒野を目指す

津野海太郎さんの「おかしな時代」をいまだ読み終えていない。寝る前に少しずつ、厳密には一回ずつ読んでいるので、さすがにあと残り僅かになってきた。現在「ローリングストーン日本語版」から「ワンダーランド」発刊に至るまでの流れの部分だが、このバイタリティーと冒険心と知性には恐れ入るしかない。お金がなくても時間がなくてもやりたいことは全部やる、という八方破れのパワーは書かれた文章にも染み出ているようだ。もう結構なお歳のはずだが、溌剌とした(多少自嘲気味に自分の年齢を皮肉る箇所もあるが)文体に、寝る前なのに興奮させられる。人生はままならない、という事実に気分が落ちそうになるとき、僕は彼ら(というのは若い頃の津野さんやその周辺の人々)を思う。前に進むしかないんだ、転がりながら。
ローリング・ストーンズのアルバムを気がつけば最近聴いていない。今の気分だと、「ルビー・チューズデイ」や「レディ・ジェーン」の頃の、少しポップでメロディアスな曲がいいかもしれない。それは多分、「ダージリン急行」の影響大だと思うが。となるとアルバムはこれか。日本盤解説はみうらじゅん氏。「バック・ストリート・ガール」が特別な1曲になる、名文だと思う。

フラワーズ

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