ラジオのように

最近電車の中吊り広告にラジオ局のものが目立つ気がするのだが、それはなぜなのだろう。文化放送ニッポン放送のようなAM放送だけでなく、今日はTOKYO-FMの広告も見かけた。このご時世にラジオ業界は儲かっているのだろうか。ただその考察を掘り下げるつもりはなく、話は個人的なラジオ経験に向かう。
ラジオは中学生の頃から聞き出して、ピークは浪人時代だろうか。特に深夜の伊集院光の「オーデカナイト」からオールナイトニッポンへの流れにお世話になっていた。その頃だと月曜日の加藤いづみ、火曜日の電気グルーヴ、金曜日のウッチャンナンチャンは確実に聞いていた。そういえばかなり短い期間に小沢健二スチャダラパーが二部のパーソナリティーをやっていたなあ。ほとんど内容を覚えていないけれど、相当ゆるかった気がする。
電グルのラジオは神がかり的な面白さで、お笑い芸人達よりもずっとレベルが高い笑いだと思って、ほとんど信者になっていた。ただそんな中音楽はどんどんストイックになっていき、当時「ビタミン」がリリースされる前に、インストの多いこの作品をめぐってレコード会社と衝突し、妥協案として「N.O.」を収録することになったというエピソードを番組内で語っていて、なんてかっこいい男達なんだろうと思ったのを覚えている。笑いも音楽も革新的だなんて、まさに理想のグループだった。最近はラジオも電気グルーヴの曲もあまり聴いていないけれど、初めて「ハッピー・バースデー」を聞いたときの感動は今も忘れない。ちなみにアルバムは「ドラゴン」、曲は「ポポ」が一番好きだ。それから、彼らがちょうど「U.F.O」を出した後くらいに、「俺のからだの筋肉はどれをとっても機械だぜ」という単行本を出しているのだが、とにかく半端でないギャグレベルの高さである。ただのナンセンスやシュールとは一線を画す、完全なオリジナルの世界。メンバーのロング・インタビューも載っていて(生い立ちから語られている)、これもとても貴重で面白い。もう古書でしか手に入らないのかもしれないが、何とかして読んでみて欲しい。あ、そういえば根本敬岡崎京子などが書いた短編漫画も載っているのだが、それも本当に傑作ばかりである。座右の書、とずっと言っていたのだが、これも実家だ。やはり手元に置かねばならない一冊だろう。

DRAGON

DRAGON