キミトデカケタ

今日はi-podにユニコーン『シャンブル』を搭載し、行きと帰りにずっと聴いていた。昨日は手に入れた興奮で冷静に聴けなかったが、今日あらためて素晴らしい作品だと思った。1曲目「ひまわり」と3曲目「WAO!」については以前書いたが、その他の2曲も含め、阿部さんのソングライティングの手腕が光っている。特にラスト「HELLO」は、民生さんのソロの「トロフィー」を彷彿させる懐が深く感動的なロック・ナンバーで、これは以前のユニコーン作品にはなかった味だと思った。しかし民生さんの曲がまた輪をかけて素晴らしく、ユニコーンを意識したと思われる余技(余興?)的な曲もあるけれど(「ザギンデビュー」)、基本はソロの曲の最近の路線に近く、骨太なサウンドとスケールの大きな胸をすくメロディー、そして言葉遊びのようで真実を言い当てる歌詞(今回特に秀逸!)はメンバーが違えど変わらないが、やはり収録曲が少なくなるからか、1曲1曲がとても贅沢な作りになっている。つまり展開が多く複雑な楽曲だということだが、その最たるものが「サラウンド」という曲。もう彼のキャリア中最高の曲だと確信した。ユニコーンでこの曲が作られたというのが大きいと思う。昨日『スプリングマン』に続くアルバムとして違和感がない、と書いたけれど、少し感想が変わった。これは、ユニコーンがずっと続いていたとして、それから16年で16枚作っていたとしたら、きっと作れなかったのではないだろうか。ソロとして完成された奥田民生というブランドのサウンドは、古巣に戻ってもビクともしない確固としたものになっているからだ。そのように感じる一方で、川西、EBI、テッシーの三人の曲、演奏はどうしようもなく懐かしい感情が溢れてくる。あまり変わっていないということよりも、彼らはユニコーン時代から確立していたということだろう。川西さんのドラム、やはり好きだ。つまり、ユニコーンのニュー・アルバムは、ユニコーンでしか聴けないが、ユニコーンをなぞる作品では全くない、そういう意味でとても彼ららしい作品だということだろう。DVDも本当に感動的なので、是非観た方が良いと思う。
案の定今日もユニコーンに終始してしまった。そういえばついこの間放送があったテレビ朝日ユニコーンの特番、完全に見逃してしまった。くるり岸田と「デーゲーム」で共演したとか、斉藤和義が「ヒゲとボイン」をカバーしたとか、かなり豪華な内容だったみたいで大変悔しい。というか、ユニコーン出演番組を動画サイト以外で見たことがない。金曜日に「僕らの音楽」に出るらしいので、絶対に観なければ。
今日はどうしよう。そうだ、この間やっと通して聴いたフランツの新譜にしよう。これ、ちょっとメロディーが淡白な気もするけれど、彼ららしさをしっかり残してさらにグルーヴを強化した、まさに進むべき方向に力強く前進した作品だと思う。「ユリシーズ」というシングル曲のリミックス2曲を収録した日本盤がお勧めだ。

トゥナイト

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