サンフラワー

ユニコーンのニュー・アルバム『シャンブル』の1曲目「ひまわり」のPVを観た。阿部義晴作詞作曲、奥田民生歌唱。アコースティックギターのカッティングとキーボードと歌だけというシンプルな編成で始まり、中盤にドラムとベースとエレキギターが加わる。阿部さん特有の情感豊かで少し捩れたメロディーだが、民生さんの曲と同じく音符の数が少なく、ソロの曲以上に気持ちよさそうに歌い上げている。ゆったりとしたテンポやギターソロがオアシスのセカンド(つまり最盛期)のサウンドを彷彿させる。と冷静に分析してみたが、とにかく鳥肌が立った。感動的であった。この曲がユニコーンのアルバムの1曲目だなんて。今までテレやすかしが多かった彼らが、ここまで壮大なスケール感を持つストレートな「いい曲」を冒頭に持ってきたことは、まさにただの「なつかしき青春をもう一度」ではなく、「新しいものを世の中に提示する」ために再結成したことを物語っているのではないか。アルバムがこの曲以降どのように展開したとしても、最初の曲がこの曲であれば間違いない。きっと他のメンバーの曲も名曲ぞろいに違いない(特に川西さんの曲が楽しみだ)。いよいよ来週発売。今年最初のピークポイントになるだろう。
さて、ユニコーンというバンド名、一説によるとティラノザウルス・レックスの同名タイトルからとられたという。ユニコーンの曲に彼らの影響はあまり見られないが、素晴らしいネーミングセンスであると思う。僕はと言えば、最近ようやくCDで買った『スライダー』はまだ聴いていないのだが、それまで彼らの作品ではずっとシングル曲を集めた編集盤を愛聴していた。後期のソウル・ディスコ色が出てきた頃の曲がとても好きだ。「逢った途端に一目惚れ」のキュートなカバーはニュー・ウェイヴの先駆けだと思う。

グレイト・Aサイドヒッツ1972-1977

グレイト・Aサイドヒッツ1972-1977