服部

13日の金曜日。朝起きてゴミを出し、ファラオ『ジャーニー・トゥ・ザ・ワン』後半と、続けてビルド・アン・アーク『ピース・ウィズ・エヴリ・ステップ』を聴く。「ユーヴ・ガット・ハヴ・フリーダム」はこの2枚のどちらのバージョンよりも、『ファイネスト』というベスト盤に入っていた、ということは90年前後のバージョンが素晴らしいと思った。ビルド・アン・アークは聴く度にふと気がつくと「オールウェイズ・ゼア」になっていて、そこまでの印象があまり残らないのだが、どうしてなのだろう。ただ今日は「考える人」を読みながらだったので、フェアではないのだが。ファラオを先に聴くからいけないのか。スピリチュアル・ジャズだと思い込んでいるのが悪いのか。この作品は、ヒップホップというか、クラブ・ミュージックなのだから、もっと快感原則に則っていれば良いのだろうか。などと思いながら、それでも曲によっては正直我慢が出来ないような合わない曲もあって、恐らく好きな音楽の系統のはずなのに、不思議である。
今聴いているのはサケロック『ユタ』。最近(というかだいぶ前から)サケロックにやられているけれど、このアルバムは今の彼らの作品とは赴きが異なり、だいぶモンド・エキゾ・ラウンジなサウンドだ。メンバーが現在とは異なるので当然かもしれないが、この頃はまるで別のバンドのようだ。しかしそれでも十分魅力的であるし、このバンドが音楽性を深化させていたらと考えるとどきどきする。仮に野村卓史さんがパーマネントメンバーとしてサケロックに復帰しても、それは「ユタ」進化形のサウンドを作るわけではないだろう。ここにあるのは実にワン&オンリーの音楽なのだ。そして、現在のサケロックも確実にワン&オンリーである。星野源さんはユニコーンが好きらしいけれど、それ十分分かります。

YUTA

YUTA