ブロウン・アウェイ

最近とにかく調子が悪い。体調ではなく、あちらの方が。でも愚痴の日記は書きたくないので、今日はすぐに本題へ。
ファラオ・サンダースの作品で初めて購入したのが『イジフォ・サム』というストラタ・イーストからリリースされたアルバムだった。その頃まだスピリチュアル・ジャズについて何も知らないに等しかったのだが、いつも髪を切ってもらっていた音楽に詳しい美容師さんに薦められて聴いたのだった。まさに衝撃的な音楽だった。心が研ぎ澄まされていく感覚というのを音楽であれほどはっきり得たのは初めてだった。その曲が1曲目の「プリンス・オブ・ピース」。それよりも前にアーチー・シェップの『アッティカ・ブルース』も聴いていたけれど、その本当の素晴らしさを知るのはその後だった。フリージャズは苦手だったが、彼らの音楽はフリー・フォームだけれど様式美は感じられず、彼岸の音楽のようで身近で温かいようにも感じられ、こういう音楽をもっと聴きたいと思うようになった。そして昨日ファラオの『ジャーニー・トゥ・ザ・ワン』を聴いた。前半五曲だけ。六曲目が「ユーヴ・ガット・トゥ・ハヴ・フリーダム」だけれど、もったいなくて聴かなかった。特別美しく秩序立てられた楽曲の中で、ファラオのサックスはいつも同じ。気高く優しく叫んでいる。まさに精神への旅。

JOURNEY TO THE ONE

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