Ain't That Enough

八時半起床。しかしその前から目は覚めていた。先に起きた妻が掃除機をかけていたからだ。最近彼女は朝方になって、僕もゴミ捨てのため八時半には起きるから、今までとは少し朝の風景が変わった。割と眠たくもならないので、そのまま起きて翻訳をする事が多いのだが、今日は妻がパソコンを使っていたので、一階にしばらく篭ることにした。ショーン・オヘイガン『ハイラマズ』(ややこしい)とティーンエイジ・ファンクラブ『ソングズ・フロム・ノーザン・ブリテン』、そしてドクター・ジョン『アンソロジー』を聴く。その間読みかけだった近田春夫さんの「僕の読書感想文」を読んでいた。一篇が凄く短いので、それほどの情報量をつぎ込むことが出来ないからか、少し説得力にかけるように思える回もあるけれど、総じて近田さんの文章は丁寧で読みやすいし、全ての回に印象的な言葉が必ず一つはある。それはつまり、連載エッセイの達人だということだと思う。近田さんが昔の(最近ではないという意味)日本語に拘っているという話がこの本の中に何度か出てくるのだが、実際に彼が用いる日本語がとても美しい。とても練られた文章だというのが伝わってくる。書評本としてはもちろん、優れた随筆として僕は読んでいる。
午後から翻訳。最近不調。詳しくは書きたくないが、英語を理解するのに時間がかかり過ぎている。でも何とか目標の箇所まで終えて、それから出かける。今日も横浜だが、ディスクユニオンには行かず、そのすぐ近くのレコファンへ。セール中で中古商品は200円オフ。3階でシンプリー・レッドとイントルーダーズとスティーリー・ダンとオレンジ・デラックス(懐かしい!)を、4階ではオスカー・ブラウン・ジュニアとテイトウワ、そしてサケロック『ぐうぜんのきろく2』DVDを購入。今日の目標は9枚だったので、残りの二枚をディスクユニオンで探す。待ち合わせの時間まであと10分くらいだったので、ロック半額コーナーとジャズの新入荷を真っ先に見る。プーチョ&ラテンソウルブラザーズ『スーパーフリーク』を、すでに持っているかもしれないと思いつつ手にとって、あと1枚を今朝聴いたショーン・オヘイガンつながりで、持っていなかったハイラマズ『コールド&バウンシー』に決定した。目標達成し妻と合流。帰りはスカイビルの中華の店でコースを食べる。あと本当に久々のビール。最近晩酌をしなくなったのだが、今日はちょっと飲みたかったので。そこではわりと有意義な話をした。ということで、毎週火曜日はいつも同じような内容である。
今日は今朝聴いたこのアルバムを紹介。TFCはずっと好きだが、『グランプリ』とこれ以外は全て実家にある。でも『サーティーン』や『ハウディー』を久々に聴きたいし、シングル『メロウ・ダウト』に収録されている「サム・ピープル・トライング・トゥ・ファック・ウィズ・ユー」という、TFCで目下一番好きな曲もそろそろCD−Rを作るときに入れたいので、今度残りの全部持って帰って来ようと思う。この作品は彼ら史上最も売れたみたいだけれど、そういえばこのアルバムからギミックめいた曲が1曲もなくなって、本気の曲だけを詰め込むようになった。ニールヤングとバーズとビーチ・ボーイズ。音楽が好きだ、ということを伝えるための音楽。マイノリティーにいるはずの彼らは、曲の良さだけを武器にして大成功を収めている。これはちょっと感動的ではないだろうか。「ユア・ラブ・イズ・ザ・プレイス・ホエア・アイ・カム・フロム」というあまりにも美しいタイトルを冠した曲がある。