ロック幸せ

ユニコーンの復活シングル「WAO!」を聴いた話を。
YoutubeでPVを観たのだが、完全にユニコーンの世界だった。いやむしろユニコーン以上にユニコーンらしい、というべきか。作詞作曲歌唱は阿部義晴さん。ヴァースとコーラスは往年のロックンロールで、大サビで美しく壮大なメロディーを歌い上げる、という楽曲がやはりユニコーンらしさを大いに感じさせる。そもそも奥田民生さんのボーカル曲をシングルで切らない感じがもう、ユニコーンのやり方である。これはもう、ユニコーンという架空のバンドを演出している、という感じさえする。
こう書くとどうも批判しているように聞こえるかもしれないが、僕はこの曲、そしてこの展開を諸手を挙げて支持する。幻想としてのユニコーンが動くのを僕らは待っていたのだし、本人たちも再結成の理由はそこにあったはずだ。一歩先へ、は次以降でいいと思う。ユニコーンは稀有なバンドだったし、16年経ってもそうだと思うから、ただユニコーンありさえすれば意義はあるのだ。
イントロを聴いてすぐ「あ、ユニコーン」とぞくぞくした。ユニコーンはドラムだ、と矢野顕子も言っていたが(ちょっと違うかも)、川西幸一さんのビートが(民生さんのいう「ズッコケ」)ユニコーンの根底にあることを再認識した。民生さんはソロ活動期に多くの凄腕ドラマーと共演しているが、やはり川西さんの叩いた「愛のために」が今でも一番合っている気がする。
まだ1曲しか聴いていないのに、もうかなり盛り上がっている。アルバムには全く不安がない。それはこのシングルで成功を確信したから、というのではなくて、もうこれはお祭りのようなエキストラな作品として待っているからだ。これが16年経って変化した部分かもしれない。昔はユニコーンの作品を肩をパンパンにいからせて待っていたのだから。今はもう、ダメでもともとと思っている。とにかく復活、おめでとうございます。

WAO!【初回生産限定盤】

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