東京の合唱

先ほど宅急便の人が代金引換の荷物を届けてくれた。それは「前園直樹グループの雑誌 うたとことば。1号・2号」。ぱらぱらとめくっただけで、まだどの文章も読んでいない。表紙の肌触り、書体、レイアウト、紙の質感。どれもがあの幻の雑誌「レディメイドマガジン1号」(2号は持っていないため分からない)を思わせる、というかほぼ同じ。版型が違うのとCDが付録にないのと値段がずっと安いのと寄稿者の顔ぶれは異なるけれど、かの雑誌を改良しより理想に近づけたのがこの「うたとことば。」なのだと思う。
小西さんは一貫していて頑固な人だ。それは氏の活動を追い、文章を読み続けていれば誰でも分かること。しかし氏自身は変わらないわけではない。変わらないのは恐らく「理想」で、そこへ確実に距離を詰めていく過程で変化を続けている人、僕にはそう思える。この雑誌と「前園直樹グループ」での活動は、端からみると課外活動のように見られるかもしれないが、小西さんの求道者としての本筋でもあるのではないかと思っている。
ピチカートファイヴで一番好きな作品は、と聞かれたらこれです。