しあげをごろうじろ

今日も2008年ベスト20の中の2枚を発表する。1枚目はキリンジ『ドデカゴン』。これは最新作ではないし、かつレンタルCDでもあるので入れるのが多少憚られたのだが、恐らく今年一番聞き返したCDでもあるので選ぶことにした。キリンジは最初から全て素晴らしいのだが(もちろん順列はつくのだが)、このアルバムほど歌心と生身の像を感じさせるものはない。以前もこの作品については書いたので詳しくは書かないが、世間的にはそれほどの評価を受けていないと思われるので、ここで強く言っておきたい。はっきり言ってJ−POPの理想型である。もう1枚はギロ『アルバム』。キリンジとの共通項を最初は感じたが、よく聴けば全くの別物。これも前に書いたが、彼らはロックに根がなく、ロックに影響を与えた音楽からじかに養分を取り入れて、独自のポップスを作ろうとしていると思う。歌詞の文学性も初期キリンジを思わせるものの、より抽象性が高く言葉の選択のカタルシスに重点が置かれている。そしてこのアルバムはJ-POPの発展形として重要作となるだろう。

DODECAGON

DODECAGON

Album

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