休日ダイヤ
毎日更新というのは、何が大変と言って、ネタがそうそう毎日あるわけではないというのが大変だ。ブログは日記のようなものだけれど、一応他人の目に触れることを考えないわけにはいかないので、ただの独白をたらたら書き連ねるのもいかがなものか、と日々パソコンの前でしばし凍りついてしまうのである。この枕の部分も、ネタが無さ過ぎるが故の字数稼ぎとストレッチだ。
今晩の『アメトーーク』は、泥の97年デビュー組という企画で、本当に泥で作ったひな壇に座らされた売れていない同期の芸人さん達が、苦節12年の思いのたけをここぞとばかりに発露する、という可笑しくてやがて切ない回だった。ゲスト出演慣れしていないことを雨上がりの二人につっこまれながら、一生懸命面白トークで盛り上げようとしている彼らを見ると、自分と重ねてしまいたくなる。いや、彼らの方が断然立派だった、失礼。とにかく、今回のMVPはガリットチュウのつっこみの人(名前失念)。「発声練習」のネタが全部最高だった。今その中の傑作選を挙げてみようと思ったのだが、見事なまでに思い出せなかったので、見ていない人は是非ユーチューブへ行ってください。「サ行」が面白かった気がする。http://www.youtube.com/watch?v=hmVX6ss_oN4
泥つながりで、マディー・ウォーターズを紹介、とも思ったが、最近全然聴いていないし、安直過ぎる気もするので、97年デビューつながりで、キリンジの作品を。メジャー・デビューは翌98年だそうだが、気にしない。この『2in1』というアルバムは、脅威のクォリティーという他無い、類をみない完成度のデビュー作(厳密にはマキシ2枚を合わせた作品)と言える。冨田恵一さんが既にプロデュースで参加しているが、演奏やアレンジ自体は非常にラフで音もハイファイではないので、最近のキリンジファンにはどう聴こえるか分からないが、楽曲の粒の揃い方たるや尋常ではない。名曲ひしめくこの盤で、それでも1曲ということなら迷わず「休日ダイヤ」を挙げたい。何も起こっていない普通の一日だとしても、感情の機微はそんなに単純なものではない、という当たり前の真実を完全に音楽として表現している。歌詞・曲ともにポップスの金字塔。ジャケットも素晴らしい!
2 IN 1~10TH ANNIVERSARY EDITION~
- アーティスト: キリンジ
- 出版社/メーカー: おもちゃ工房
- 発売日: 2008/03/19
- メディア: CD
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