イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ

ロックの日(6/9)当日。10時に家を出て、みなとみらいで昼食。新しく出来たビュッフェ・レストラン。開店時間から間もなかったからか、全てがほぼ手付かずの状態で、とても気持ちよかった。料理は種類が豊富で、デザートコーナーにはチョコレート・ファウンテンまであり、全部食べたいと思ったが、いつものように一週目でお腹いっぱいになってしまい、その後はどう頑張っても胃に収まりそうもなかった。店の女性が席まで案内してくれた後、「当店は見ての通りビュッフェスタイルでございますので・・・」と言ったのがなんとなく可笑しかった。
その後横浜駅東口まで歩き、仕事に行く妻と別れ、久しぶりに西口のディスクユニオンへ赴く。一時間ほどうろうろして、ゴンザレス『ソロ・ピアノ』、ホセ・ゴンザレス『イン・アワ・ネイチャー』、ウーター・へメル『へメル』、そして『レディメイド・ディグズ・エルヴィス』を購入。帰って早速ウーター・へメルとエルヴィスを聴く。ベニー・シングスの色が濃厚な前者は勿論素敵な作品だった。まだ個々の楽曲について触れられるほど聴きこんでないけれど、打ち込み中心のプロダクションだけれど彼の声とポップな楽曲にはぴったりだと思った。でもこれをジャズのジャンルに入れるのはどうだろうか。エルヴィスはもうゴキゲン、のひとこと。小西さんの趣味というかコンセプトに従った選曲だということが門外漢の僕にも良く分かる、とてもスウィンギーでポップな歌集だと思う。「ボサノヴァ・ベイビー」という曲を聴くと、エルヴィスのイメージは裏返る。そして聴きたかった「アイ・ガッタ・スタング」。大瀧詠一氏の「いかすぜ!この恋」の下敷きになった曲、というかそのまま。原曲のグルーヴを全く殺すことなく日本語の歌詞(エルヴィスの曲の邦題をつないで出来ている)を載せて歌ってしまった大瀧さんの凄さを思い知った。
そしてたった今、ケニー・ランキン逝去の報が入った。享年69歳。「ボブ・ディランとの共演で知られる・・・」と紹介されていて、そこで初めてあの名盤『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』にギタリストとして参加していたことを知った。多分持っていなかったと思うが、是非聴いてみたいと思った。友人にライブに行こうと誘われた時、経済的に苦しいから、と断ったことを思い出す。今日はその友達に久しぶりに連絡しようと思う。唯一無比のボーカルとギター。フォークとジャズとブラジル音楽を絶妙にブレンドし洗練を極めた、「ハヴント・ウィー・メット」などの数々の名曲。最近は「サンデイ・カインド・オブ・ラヴ」をよく聴いていた。一番よく聴いたアルバムは『ケニー・ランキン・アルバム』。ジェイムズ・テイラーの『ワン・マン・ドッグ』が僕を捉えた頃、最も欲しかった『シルヴァー・モーニング』のレコードに、久しぶりに針を落とそうと思う。

シルヴァー・モーニング(紙ジャケット仕様)

シルヴァー・モーニング(紙ジャケット仕様)