さよならバードランド

コロンビア・レディメイドのホームページが今月31日で終了するらしく、本当に残念だ。12時をまわるとやおら三階に上がり、ブログに手をつける前にこのページを見るのが日課だったので、4月からは直接ここに来なければならない。レコード手帖と扉ページの文章に尻を叩いてもらい、どうにかこうにか毎日更新してきたので、不安だ。それはともかく、小西さんの「CDを聴く。」の連載が始まってからはチェックを忘れた日はなかったと思う。単行本に全てが載るのは分かっているが、雑誌のように(頻度は新聞なみだったが)毎回2枚ずつ読んでいくことが楽しかった。「レコード手帖」の文章では、飯塚恆雄さんの『中原昌也作業日誌(2004〜2007)」を読む』が印象深い。僕が漠然と感じながら頭の中でまとまらなかったことを、とても丁寧に言葉をつむいで伝えてくれたと思った。それから、季節ごとの特集や「宣伝部から。」も面白かった。その中では長谷川きよしさんの特集が一番印象に残っている。毎日の更新から不定期更新になってもいいので、このページを継続してほしいと強く願う。
話は変わるが、二ール・イネスの『ブック・オブ・レコーズ』がとてもよかった。ボンゾ・ドッグ・バンドの『ゴリラ』は売ってしまったのだが、これは手放すことはないだろう。ポップスやロックのパロディをやるには、オリジナル以上の作家性とソングライティングの技術と音楽知識がなければならないが、もっと大事なことは、そういった部分がリスナーに透けて見えてはいけないという点だと思う。あくまで軽やかに、生みの苦しみとは無縁のような顔で、聴いている人を楽しませることが必要だ。そんなことを考えながらジャケットのさわやかな(若干ピエロにも見える)表情を見ていると、アインシュタインが舌を出している写真を思い出した。

ブック・オブ・レコーズ(紙ジャケット仕様)

ブック・オブ・レコーズ(紙ジャケット仕様)