Whenever,Wherever

誰もがその素晴らしさをたたえる、チャールズ・ステップニー製作のミニー・リパートン『カム・トゥ・マイ・ガーデン』を買ったのはもう相当昔で、おそらく「ラヴィン・ユー」さえ聴いたことがなかった頃だと思う。ソフト・ロックに夢中だったあの頃、例によって小西康陽さんの文章を読んで、横浜のレコファンで中古で買い求めたはずだ。その頃は「メモリーバンド」目当てだったのだが(ロタリー・コネクションのバージョンを知っていたので)、その全体的な美しさに感動したのを覚えている。あれから10年以上経って、ごく最近聴き返したのだが、その頃の漠然とした印象とは打って変わり、輪郭のはっきりした鮮やかな音楽だったということに気づき、より深い感動を味わった。その後のミニーの作品はよりソウル・ミュージックの色合いが濃くなって勿論素晴らしいのだが、圧倒的な完成度、と言う意味ではこのアルバムだと思う。

Come to My Garden

Come to My Garden