風になりたい

ここ三日くらい、CDプレイヤーにはずっとエドゥ・ロボの『セルジオ・メンデス・プレゼンツ』が入っている。朝起きて1曲。帰って1曲。休みの日は全曲。という聴き方をしている。昔、それこそ「カフェ・アプレミディ」が出来て、その名前を冠した編集盤が続々と発売されていた頃、そのコンパイラーに勧められるがままに、ブラジルものの再発CDを買いあさっていた。その頃から名前だけは知っていたが、自演の曲を聴くのは今回がはじめて。で、なぜもっと早く、と後悔してしまうほど、今の僕にも、そして当時の僕にもドンピシャの素晴らしい作品だった。「ザンジバル」の静かに滾るサンバの血潮に魅せられ、「カーサ・フォルテ」の複雑で美しくかつワイルドなブラジリアン・バラッドに陶酔し、ラストはあまりにシンプルで切ないスキャット版「ヘイ・ジュード」。他の曲も全て名曲。セルジオ・メンデスのプロデュースらしく、ソフトロックのテイストも入っているが、基本的にはシンガー・ソング・ライター色が色濃い作品だとおもう。ジャヴァンのファースト以来、僕が聴いたブラジル・ポップスで最良の一枚。

セルジオ・メンデス・プレゼンツ・ロボ

セルジオ・メンデス・プレゼンツ・ロボ