Jazz 'n Samba

昨日は久しぶりにテノーリオ・ジュニオール「エンバーロ」を一枚通して聴いた。ずいぶん前、ブラジル音楽に夢中だった頃に買ったのだが、その頃も大好きな一枚だった。今聴くと、さらに感動が深いことに気づく。高揚感とリリシズムを同時に感じさせてくれる彼の音楽は、良質のブラジル音楽のもつ美質を思い知らせてくれる。つい最近、「ゲッツ・ジルベルト」を聴きなおしたときも感じたのだが、クール・ジャズとサンバが融合・発展して、ボサノヴァが生まれたという事実からも分かるように、彼の地の音楽の特徴はまさに「熱」と「冷」だ。ジャズ・サンバは名前からすると「熱」に寄っているようにも見えるが、テノーリオは繊細なタッチで、ニュアンスに富んだメロディーを紡ぐ。1曲目。イントロの、少し中近東的なフレーズから、一気にラテンにドライブする、そのダイナミズムに身悶える真夜中の頃。

Embalo

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