愛と死の幻想

今日は雨天のため一日中家の中で過ごしました。
読んだ本は「この骨董が、アナタです。」(仲畑貴志)。これで五回目くらいだろうか。
骨董にはまった氏の悲喜こもごもの日常が綴られた、最高に洒脱な一冊。
本業がコピーライターだけに、言葉の並べ方が素晴らしい。敷居が低く、奥が深い。
いや、単純に読みやすくて笑える、と言ってしまったほうが良い。


音楽はといえば、今日はジャズ。特に所謂スピリチュアル・ジャズばかり聴いていた。
ファラオ・サンダースの“You've Gotta Have A Freedom”の87年バージョンが凄い。
咆哮するサックスは、まるで愛のあらし。
これを聴いてしまうと、ビルド・アンド・アークがポップソングに聴こえる。


そして初めて聴くキース・ジャレットの音楽。
それは74年の「宝島」。
ジャズというより、フォーキーなフュージョン、という感じ。
インプロバリバリな曲もあるけれど、基本はパット・メセニーのような牧歌的な感じ。
村上春樹がエッセーの中で、キース・ジャレットに対して批判的なコメントをしていて、
それが気になって今まで手が伸びなかったのだが、
村上氏がそういうのも判る気はする。
なんかこの人は、ジャズに恩義を感じていないような印象を受ける。
伝統や主流に対して反抗もしなければ阿りもしない、そんなイメージ。
今度はキリンジのお兄さんがどこかで紹介していたアルバムを探してみよう。
(「レストレーション・ルーイン」というタイトルだそう)