すてきなあなたに

夜の十二時をまわると、コロンビア・レディメイドのサイトが更新されるので、
毎晩五分くらいたってからこの部屋に来て、パソコンを起動させる。
扉ページには小西康陽さんと前園直樹さんの文章が載っていて、
これが毎日更新されるので、楽しみで仕方がない。
名物コーナーの「レコード手帖」ももちろん楽しみにしている。
小西さんと縁のある執筆者が、ある程度好き勝手にエッセーを書いている。
正直皆さん文章がうまい。とても参考になる。


ミュージシャンや音楽関係者が書く文章は好きなのだが、
小西さんの文章には格別に魅かれる。
多分それは、やさしい言葉ばかりだからだろう。
村上春樹もそう。原田治さんもそう。
やさしい言葉は「易しい言葉」と「優しい言葉」の両方だ。


音楽の好みも同じで、易しくて優しいのがよい。
もし今度誰かに聞かれたら、こう答えてみようか。
少し気障に聞こえるか。
前に真剣に考えたことがあった。自分の好きな音楽を一言で言うと?
そのとき思いついたのが、「ノスタルジー」というキーワードで、
まだ一度も機会はないけれど、いつかそう答えようと思っていた。
やさしくて、ノスタルジックな音楽。
これはかなり正解に近いのではないだろうか。


タンタン、というジャマイカの名トランペッターのリーダー作に、
“Musical Nostalgia for Today"というタイトルのアルバムがあるのだが、
内容もさることながら、ジャケット(再発CDではインナージャケットの方)とタイトルが、
とても好きだ。
いや、内容がやはり一番好き。
陽だまりの午睡の心地よさ、でもルーディー。
梅雨でも、いや梅雨だから、また聴きたい。


そう、生田敬太郎の「この暗い時期にも」。
やっぱり最高でした。
歌詞がいい。あと音がハイファイ。
「何もする気がしない」は、最初に聴いた時には全くひっかからなったのに、
トータルでとても好きな曲。
あとやはりラストのタイトル曲。
「好ましい糧(もの)」というフレーズ、どこかで使いたい。
「散歩Ⅱ」という曲は、スクービー・ドゥーの最新盤所収の「散歩男」に、
多大なインスピレーションを与えたものとみた!