至上の愛

昨日は12時に美容院に予約を入れて、関内に向かった。地下鉄の駅を降りると、そこはディスクユニオンだ。12時まであと10分、それにもかかわらず立ち寄る。アーマッド・ジャマルの「アット・ザ・ペントハウス」(前日小西さんがホームページの連載で紹介していた)狙いだったが見つからず、代わりにジョン・コルトレーンジャイアント・ステップ」と、その棚のすぐ側にあった、ジョー・ヘンダーソン「モード・フォー・ジョー」を購入。その間五分。美容院に着いたのは12時1分くらい。我ながらちょっとどうかと思う。その日は妻とみなとみらいへ。こまごま買い物。ランドマークタワー内の有隣堂で、ビル・クロウ「ジャズ・アネクドーツ」の文庫を購入。本当は彼の「さよならバードランド」と揃いで欲しかったが見つからず。訳は村上春樹。最近村上氏のジャズについての文章の素晴らしさがようやく分かるように。帰って早速「ジャイアント・ステップ」。紙ジャケでボーナス8曲で1323円は安いのではないか。とりあえず本編の7曲まで一気に聴く。感動。ただただ圧倒される。「ネイマ」のオリジナルをはじめて聴くが、結局どんなカバーもこれを超えられないのではないか、と思うほどずしりと胸に響く。その後マイルスの「カインド・オブ・ブルー」を聴く。ちょっと前に買ったがそのままにしておいたので。これも凄い。いや本当に戦慄が走るほどの体験。こんなに静謐な作品だと思っていなかった。「ジャイアント・ステップ」のマッシヴでスピリチュアルな音塊と、「カインド・オブ・ブルー」のテンションの極まった凄み。この二枚をジャズの金字塔として挙げる人が多いが、理由が分かった。それは、音楽が好き/嫌い、ジャズが好き/嫌いにかかわらず、聴いた人全てがそれこそ皮膚感覚でその音楽に貫かれずにはいられないからだろう。「分かる人にはわかる」という側面が多いジャズというジャンルの中で、純粋な芸術的感動と言う点であらゆる人を圧倒するなんて、あまりにも尊いことだ。

ジャイアント・ステップス(+8)

ジャイアント・ステップス(+8)