月光値千金

いま、寝る前に小林信彦の「日本の喜劇王」を、少しずつ読んでいる。
第一章がロッパ、第二章がエノケンで、どちらも動く姿を見たことがない。
それもそのはず、戦前から活躍するコメディアンだった。
そんなことも知らなかった。

でも、エノケンはジャズを歌っていた、というのは知っている。
バンバンバザールのサードアルバム(名盤)、「歌は廻る」の中のライナーノーツで、
リーダーの福島康之氏がそのことを記していた(はず)。

昭和のジャズ。
小西康陽さん監修で、服部良一さんの「HATTORI JAZZ AND JIVE」といる作品が出されたが、
売れているのだろうか。
さすがに音が古い(試聴しかしていないけれど)。
懐メロよりも古いから、誰もついてこれないのではないかと。
でも、誰にとっても古いということは、誰にとっても新しいということだ。


くだんの「歌は廻る」、本当にスタンダードが好きになる、最高の和モノだと思う。
でもその前に、当時のバンバンの素晴らしさにやみつきになるだろう。


そこで、私的バンバンバザール・アルバムランキング。持っているものだけ。
①ハイライト
②歌は廻る
③4
④できました
⑤スゲ・バン・バ
⑥ワン・デイ、ワン・マンス、ワン・イヤー
⑦リサイクル
⑧十
⑨ジェントルマン

最新作の⑥がかなり素晴らしく、福島さんの詩曲をもっと聴きたいと思った。
一位は初期のベスト盤とも言うべき、2枚組ライブ盤。
ゲストの吾妻さんの「二時間座っていたけれど」必聴。
あと、MC必聴。おもしろすぎる。


でも、ノベルティーっぽいバンドとして、ポカスカジャンと同じくくりにされるのは、
本人たちは良いのかもしれないが、絶対によくない。


今度は私的バンバン・オリジナルソング・ベスト5。今日現在です。
①さよならと言ってくれ(スゲ・バン・バ)
②君のいない夏(4)
③フライデイ・ナイト・エビフライ(4)
④早稲田通り(十)
⑤夏のキムチ(ワン・デイ、ワン・マンス、ワン・イヤー)

わりと後期の曲が多いかも。④は歌詞の意味がよくわからんが、とにかくすごく切ない。
⑤はイノトモと共演。すごいいいメロディー。歌詞との裏腹具合がバンバンらしい。
①は発売前に別のアレンジで聴いたとき、とにかく感動した。
ライブで初めて新曲聴いていいと思う曲というのはかなり少なくて、
他には奥田民生の「イージュー☆ライダー」だけ。
そのときのアレンジのまま(もうちょっとソウルっぽかった気がする)、
音源になってくれればもっと嬉しかった。
それでも一位。
②③はアルバム「4」の最初と最後の曲。
この2曲のジャイヴっぷりは、師匠のバッパーズを追い落とさんとする勢いを感じる。


最後に、バンバン・カバー曲ベスト5.
①プリーズ・ドント・トーク・アバウト・ミー(歌は廻る)
②手紙でも書こう(歌は廻る)
③明るい表通りで(リサイクル、スゲ・バン・バ、十)
④歌は廻る(歌は廻る)
⑤ほんじゃね(歌は廻る)

カバー曲は、どうしても「歌は廻る」の曲ばかり浮かんでくる。
全部「ハイライト」でも聴ける。
あ、「ハイライト」でしか聴けない山部正人の「待ち合わせ」も大名曲。


こんなに好きなのに、アルバム全部揃えているわけじゃない。
やっぱりウクレレものはどうも。
でも、ライヴ盤「オール・ナイト・ポテト・ロング」はいつかは買おう。
はっぴいえんどの「HAPPY END」とどっちが先だろう。


バンバンバザールのことを書くつもりはなかったのに。